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宝塚は永遠ですか?

おもに宝塚で心乱されたことの記録。手広くオタクです。

宙組『エリザベート』感想1


感想、バンバンいきます。

遠征が控えているため、こらえて1回の観劇ですので、あまり細部は語れないかも。正直あと最低3回はつぶさに観察したかった……。

太田の予備知識としましては、ちょいちょい観劇しつつ、DVDでも一応全組観て……好みとしましては、初演雪組・水版雪組あたりでしょうか。そんなところを踏まえて、好き勝手のべてまいります!



冷たい「死」としてのトート閣下

異質で人外の存在として舞台に居続けた朝夏まなとさん演じるトート。徹底して「死」の帝王として、どこか概念らしい無機的な雰囲気がありました。一方でトート個人の執念や思惑というんでしょうか、そういったものに吸い込まれて、巻き込まれてしまう力と魅力に溢れていました。

朝夏さんのお顔立ちって、パーツのバランスとしては「陽」のお方だと思うんです。それがこう、良い意味で爬虫類のような血の冷たいお顔に仕上げてらして、このお化粧の効果がまず絶大です。そして、スタイルの良さが人じゃないのです。そら「死」だわ…!と絶句したのはわたしだけ?なの?宙組さん贔屓のみなさまは見慣れているの?あの超人的脚の長さに??
シシィの部屋のクローゼットから登場して、死へ誘う場面の艶めかしさといったら…!身長も大きい朝夏トートですが、ふと現れると気づけないほど気配がない、というのがすごかったです。

正直、朝夏さんの張り上げて発声する歌声がそこまで得意でないのです。が、今回はあまり気になりませんでした。高音を吐息でカバーする芸当なんて……!妖しい魅力にプラス作用していました。はたしてあんな吐息芸を何人ができるでしょう……。艶っぽく音をよじるのが不得意なのか、ナンバーによってはすこし物足りない気持ちはあれど、それ以上の怜悧な存在感を放つトート閣下でした。


浮遊する実咲凛音のエリザベート

みりおんは地声の音域が広いタイプなので、(Disney楽曲とかが得意)それがこのエリザベートという作品にばっちりハマりましたね。見事でした。ほぼほぼ地声の高音で歌いきったのではないしょうか。無邪気な「パパみたいになりたい」力強い「私だけに」あたりはもうクラクラきました。
個人的にはセリフ回しの違いもしっかりあってよかったです。「わたしを見殺しにするのね…」とかも、フランツとの関係性を物語るような、落胆の色が強い声音でどきりとしました。

経験上、歴代エリザベートそれぞれには、ある場面から徐々に声音が大人っぽくなる傾向がありました。たとえば「娘はどこ」と迫るところからだったり、勝利した女王による「わたしが踊る時」からなど。
それが、実咲シシィには意図的になかった。そして時代が進んでいくにつれ、どんどん彼女の存在が浮いたものに感じられていきます。器械体操の時やルドルフに縋られたときも、声はむかしの少女期の高さや艶のまま。そのことで年齢があやふやになり、流れて老いてゆく周りとのギャップが生じます。後半になればなるほど、彼女は舞台上で「違和感」となっていくのが衝撃的でした。自由に憧れた少女期のときで止まってしまっているかのような透明感。生きていけばいくほどに、がんじがらめになっていく魂。さいごに真っ白な少女期の姿でトートに迎え入れられたときに、シシィの本来の姿で自由を得たのだと悟りました。
この一連の流れが本当に気持ちよく、みりおんシシィの素晴らしさは歌でもなく、可憐さでもなく、この大きな流れの中のエリザベートという演技だと主張したい…!

とにかくみりおんがこんなに演技を貫ける人だとは、と退団が悔やまれます。。。


2番手フランツ・3番手ルキーニ

さて、ここはナイーブなところでしょうか、どうなんでしょうか?ひりついた客観的意見になってしまったらすみません。

真風さんは星の子ですので、十二分にいままでの実力を存じ上げています。(太田は星・花贔屓です)宙組に行って様々なことにチャレンジしていましたから、きっとその努力を買ってのフランツのなのでしょう、と。
……いや、わたしのベストフランツ・北翔さんを引きずって見に行ったのが悪かった。本当、系統がまず違うよね、ごめんなさい。
なにかと棒になりがちなのは本人も意識している部分なのか、かなり工夫して発声してたように思います。とはいえ、東京公演頭だというのに、まだ楽譜を追っている感がいなめず、シシィとの関係性も弱め。最後の審判でトートと直接対決のシーンはとても気迫がありかっこよかったです。「あんたほんまそこまで大事に想ってたんかーい!」と大阪のおばちゃんが割って入りたくなってしまいましたが。
短い音にもビブラートがかかってしまい、その揺れ幅が不安定なので、みりおんとのハモりの相性が悪くてウーンとなりました。
ゆりかちゃんは3番手時代もしっかり経験できていますし、2番手としてもっとたくましくなってほしいものです。華も品も男っぷりも良いスターさんですから、このままなあなあ引き継ぎは見たくないのが本音。


一方愛ちゃんのルキーニ。(今回株があがりすぎて語尾にハートとかつけたい勢い。)前再演が超絶技巧ルキーニの望海さんという化物でしたから、弱く見えがちですが、本来ストーリーテラーとしてはこれぐらいがほどよくていいと思いました。差し引いても、だいもんや圭ちゃんは、高笑いのプロだったのだな…と。

なにかと拙いといえば、拙いですが、肩の力が抜けた色気がしっかりあってよかったです。ルキーニの俯瞰した落ち着きが、はたして愛ちゃんに…と想像がついていませんでしたが、杞憂でした。「ヒモ力」というか、ダメイケメンっぽさ?たまらないの一言です。歌もTOP HATあたりからぐんぐん成長を重ねていますね。しかもこんなに軽快な演技ができるとは、愛ちゃん!!一番驚いたかも。
前公演でも気になったのですが、すこしまあさま歌唱に似せてしまうところがあるので、そこは愛ちゃんの個性を大事にしてほしいような。


メインに専科を呼ばずエリザベートというのはなかなか難題でしたね。とはいえゆりかさんにはフランツもおそらくルキーニも荷が重かったわけですが…愛ちゃんが大健闘でした。





大劇場公演はどうしても感想が長くなりすぎるわ!(偉くなりすぎるわ!風)

続きはもしかしたら力尽きてないかもしれませんが…、できるだけ間を空けずあげていきます。